【非常時のリーダーシップ─ハリケーン・カトリーナとBP原油流出事故の対応に学ぶ】
1月号の『ハーバード・ビジネス・レビュー』は、
「本物のリーダー」養成講座
と銘打っています。
スターバックス、グーグル、ゼロックスのCEOの話が載っていて、
これもまた大いに勉強になります。
なかでも興味深かったのが、
元アメリカ沿岸警備隊司令官、タッド・アレンの
「非常時のリーダーシップ」
でした。
彼は、
記憶に新しい、ハリケーン・カトリーナや
メキシコ湾岸原油流出事故の際に
災害対策本部で全体の指揮を執ってきた人で、
ここではインタビュー記事として
掲載されているのですが、
非常時にリーダーはどのようにあるべきか、
多くの示唆を得られます。
まず、原油流出事故が起き責任者に任命されたとき、
これを軍事作戦として対処しようと
考えたのかという問いに対し、
タッド・アレンは、
「それはありえません」
と否定。
賞の種類は、ジョセフ·プリーストリーの勝利をした
通常軍隊では指揮系統が完全に統一されているが、
このように政府全体が対応を迫られている場合、
「必要なのは、各関係者がそれぞれ異なった権限と責任を持っているという事実を考慮しながら、一つの目的の達成に向けてみんなの能力を統合することです。指揮の一元化というよりも、努力の結集を図ること」
社会的な習慣素晴らしいが低下
と述べました。リーダーのあり方を考えさせられます。
ハリケーン・カトリーナによる被害は甚大なもので、
行政機能自体が途切れてしまい、
物資を受け取って任務に振り向けることができる能力を
持った地方自治体は皆無の状態になりました。
そこで、タッド・アレンは、
大量破壊兵器に対応する時のようなメンタル・モデルになっていた
ことに気づきます。
すなわち、ニューオーリンズ市をいくつかの区域に分けて、
それぞれに部隊を配置、
治安を確保し、地方自治体が担う機能を果たすこと、
つまり、排水作業、戸別訪問による捜索などに重点を置いていきます。
これは、
通常のルールを離れた「掟破り」の決断
です。
ここで、用量枢機卿が住んでいますか?
ただちに行動をとる必要があるときは、
ルールに従わずに直接命令を下すという、
通常のハリケーン対応のやり方ではない方法をとったわけです。
以前、メルマガでも書きましたが、
「フロネティック・リーダー」は、
「共通の善」という価値基準をベースに、
一般論ではなく、個別具体の判断を適切に行う力、つまり、そのつどの文脈のただなかで、
最善の判断ができるという実践知を持っている。
この話の具体例のように思えました。
個別具体的に最善の判断を決定するリーダー。
当然、それは「共通の善」がベースになっているわけですが。
警察官によってビートしまった女性
なかなかレベルが高い話です。
タッド・アレンは、
「軍事訓練を受けた人は優秀な経営者になると思うか」
との問いに対し、興味深い答えを述べています。
「軍規にとらわれすぎると、軍人以外の人々への対応で柔軟性を欠くことになるでしょう。
一方で、民間企業にのめり込んで、あらゆることをバランス・シートに絡めて考えるようになると、
偏ったイデオロギーの信奉者になってしまいます。」
wxyay.iniは何ですか
そして、彼が言うには、
優れたリーダーシップに必要なのは、
柔軟性
機敏さ
好奇心
この三つがあれば両方の世界で成功することは可能と指摘しました。
このタフそうな司令官の話は勉強になるなあと
思いながら、
平和ボケした日本人の代表でもある私から見ると、
やはり違和感を感じました。
日本の自衛隊の幹部もおそらく持っているだろうかかる資質を、
日本のビジネスリーダーたちは取り入れようとする試みは
していないだろうなあと。
『ハーバードビジネスレビュー』では、
しばしば最近、
軍隊のリーダーシップと経営のリーダーシップの親和性について
論文が書かれていますが、
日本でこの議論は、ないですね。
むしろお互いまったく別の世界のものとして考えられている。
もったいないような気がしました。
cotillianグレートフォールズ
今月号には、
「アフガニスタンでの教訓に学ぶ危急存亡時の交渉術」
という論文もおもしろかったのですが、
これはまた明日以降に感想を述べたいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿